見た目・体裁にこだわれ

私が前の会社で勤めていたときのことです。早い時期からブラインドタッチを習得していた私は、ワープロやコンピュータの社内での普及に伴い作成する文書をそれらで作るようになりました。ブラインドで打てれば文書作成の時間は変わらないか、編集・訂正作業を考えれば、むしろ手書きより速いくらいだったからです。

  • あるとき、よその部署のおせっかいな部長に言われました。「君はいつも丁寧にワープロで清書しているようだが、そんな必要は無い。手書きにしなさい。見た目よりも中身だ。」私は心の中で彼の最後のコメントに対して、Yes and Noだなと思いました。
  • たしかに内容によっては、PCでやるより手でささっと書いたほうが早い部分もあります。そんなときには私もそうしています。問題は「見た目よりも中身だ」といっている人でも実は無意識に見た目に影響されるということです。もちろん見た目きれいにだけすればいいというのではないですよ。
  • よくあるのが、言いたい内容は一応Captureできているのですが、あまりにも全体の構成が悪く、また文書作成の基本ルールを無視したがため読みにくく肝心の言いたいことが読み手に効果的に伝わっていないということです。
  • 英文ではさらにこの辺が大事になってきます。基本的な英文のルールを知って守ると守らないとではかなり違いが出ます。相手が読み始める前から大きなハンデを背負って勝負するようなものです。
  • 構成力は簡単にはImproveできないかもしれません。なぜならば構成力というのは自分の頭の中の物事の構成力をそのまま反映するからです。でも下に挙げたようなよく見かけるミスは気をつければすぐに直せます:
    • 適正でないマージン、往々にして少なすぎる
    • いろいろなフォント(字体とサイズ)の乱用・混用。または間違った英文フォント(例えば日本語タイプフェイスのアルファベットの使用等)
    • 間違った文字修飾。たとえば、BoldとUnderlineの併用、Italicの多用
    • 不必要な罫線の多用、長すぎるパラグラフ、:;−などの記号の誤用(記号にはみんな意味があります)
  • このあたりの参考書でいいものの一つは染谷泰正さんの「英文ビジネス文書完全マニュアル」です。私が買ったのは10年以上も前なので現在の版は内容が多少変更されているかもしれませんが、実に丁寧かつ、正確にこのあたりのことが説明されています。
  • 英文で仕事をされる方はWritingのスキルは言うまでも無いことですが、このあたりの英文レトリックは大変役に立ちますし、簡単にImproveできますのでぜひ、そういった参考書で習得されるといいと思います。私もこの会社に入ったときに買いました。